よく調べてから就職しよう

障がいの中でも、特に重いハンディキャップを持つ人を対象としているのが、重症心身障害児施設だ。

重度の肢体不自由者や知的障害者というだけでは入所することはできず、両方に該当していなければいけない。そのことからも一般の医療施設とは必要な知識やスキルが異なるのが理解できるだろう。つまり、重症心身障害児施設に就職した場合は、今までの経験がまったく通用しない可能性もあるのだ。

もしも、これまで内科や外科など、一般の人を対象とする医療施設で働いてきたのなら、重症心身障害児へのケアを学び直す必要があるだろう。何も考えずに条件だけを見て就職してしまうと、働き始めてからかなり苦労することになり、すぐに辞めたいと考えてしまうかもしれない。

重症心身障害児施設で働きたいと考えるなら、まずは現実がどのようなものか知っておこう。それは『子供に関わるのが好き』や『障がいを持った方の役に立ちたい』などの動機では続けていくのが難しいからだ。そのような施設は、ほかにいくらでもある。

現実を知るためには、重症心身障害児施設が就職希望者に向けて提供してくれる見学会を利用すればいい。実際に仕事現場を見られるので、現実を知れるのはもちろん、必要な知識やスキルがどのようなものか判断することが可能だ。時間があるのならすでに働いている先輩看護師に話を聞くのもいいだろう。そのときは、やりがいだけではなく、重症心身障害児施設で働くことのつらさもきちんと教えてもらったほうが就職のときの参考にできるだろう。